IELTSでOverall 7.0を取った話。

目次。

 つらつらと書いていたら1万字を超えてしまった…。見出しを小分けにしているので興味ある所だけ読んでいただければ…。

 

 

この文章を読んで、面白い!役に立った!...と思った分だけ、投げ銭していただけると嬉しいです。

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はじめに。 

 おそらく「IELTS」という言葉で検索する人は2種類いると思う。IELTSについて(申し込み方法、問題形式、勉強法)知りたい人。IELTSの勉強が嫌になって、スコアが上がらなくて、とりあえず現実逃避したい、何かしら不安な気持ちから目を背けたい人。

 僕は、後者の人間。勉強すべきだと頭ではわかっていても、不安になるとその気持ちを紛らわすためにIELTSについて書かれたwebサイトを漁っていた。

 おそらく圧倒的に後者の人間が多いと思う。けれども、webサイトは、どちらかというと前者の人間に書かれたものばかり。「IELTSのスコアを上げたいなら○○すべし!」とか、「○○するだけで××か月でスコアが△△アップ!」とか言われても、IELTSの情報は得られるけれども、不安な気持ちは収まらないでしょ、と。

 一応、ギリギリIELTSでOverall 7.0を取ることができたので、IELTSに関して記事を書く。「僕はこうやってIELTSの勉強をしたよ。いいかどうかは知らんけど」っていう感じで話を進める。この記事は、前者の人々の需要は満たせないが、後者の人々の需要なら少し満たせるかもしれない。「IELTS対策について綺麗な形でまとめられた記事」より「英語嫌い、かつ才能がない奴がドロドロしい泥道を進む感じでIELTSの勉強をやり続けていたら、命からがらOverall 7.0にたどり着いた記事」の方が「こんな奴でもOverall 7.0取れるのか」という感じで不安な気持ちが和らぐのではないか、こっちの方が自己投影しやすいのではないかと思う。自己投影と言うと、つまりは、「今、私もこのブログの人みたいな状況やけども、勉強を続けたらきっとOverall 7.0取れるかも」っていう感じ。

 IELTS Overall 7.0を取るまで僕がどのような勉強をしたかについて、できるだけ詳細にリアルに書く。この文章は、IELTS tips集ではない、IELTSの生々しい体験談である。

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きっかけ(海外大学院学位留学とTOEFL iBTとIELTS)。

 僕が海外の大学院で博士号を取りたいと思い立ったのは、大学に落ちて浪人していた12月の頃(この頃は、ものすごく病んでいた)。そして色々調べていく中で、英語が母語ではない人は、英語力を証明する試験を受けなければいけないことを知る。僕は、漠然とアメリカに行きたいと思っていたので、学部1年の頃からTOEFL iBTの勉強を始めた。と言っても学部時代は、目標も何も、ただぼんやりと考えていただけなので、勉強に全く身が入らず、取り敢えず試験の申込だけして満足して、そんなに勉強せず、お金だけ減っていくという悪循環。

 そんな状況が変わったのが、修士1年の6月。それまでずっと自分の進路に関してモヤモヤしていたが、この時期にやっと第一志望が決まった。僕の第一志望は、アメリカのとある大学院であるが、よく調べてみるとTOEFL iBTの他にIELTSでも英語力の証明ができるとのこと。IELTSに関して調べてみるとTOEFL iBTよりも簡単という意見が多かったので、この段階でTOEFL iBTからIELTSに乗り換えた。

 

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IELTSとは。

 IELTSは、International English Language Testing Systemの略。英語力を測るテストの1つ。受験料は、250,00円以上する。高い…。主にイギリス、オーストラリア、カナダとかに留学したり、永住権を取得するために使われる。けれども最近、アメリカでも少しずつIELTSが採用され始めている。IELTSはGeneralとAcademicの2種類あり、僕が受けたのはAcademic。セクションは、Reading, Listening, Writing, Speakingの4つあって、点数はバンドスコア形式で0から9までの0.5刻みで出される。4セクションの合計の平均を取って四捨五入した値がOverall。IELTS Overall 7.0は、下の表によるとTOEIC 900点台(平成30年の資料ではL&RとS&Wを分けて書いていないが、2016年の資料だとL&R 945~と書かれている)、英検1級ぐらい、TOEFL iBT 100点ぐらいに対応するする。

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http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

 

 

僕のIELTS勉強前の英語の概要。

 僕は、日本生まれの日本育ち。ちなみに今まで一度も海外に行ったことがない(けれども、遂に6月に初めて海外に行くことになった!!)。

 英語は、前述の通り、ものすごく嫌いで、ものすごく苦手。高校の時は、定期考査で欠点を取ることが時々あった。英語の勉強をしなさ過ぎて、英語科の職員室に呼び出されて、怒られたこともあったりする。センター試験は、最高で8割ちょうど。

 大学に入り、「TOEIC受け取った方がいいよ」という先生の言葉に従い、学部1年の時にTOEICを初受験。全く対策せず受けた結果は、505点。

 学部2回生からTOEFL iBT浪費が始まる。9回受けて20万円以上無駄にしてしまった(東大の博士課程の院試に必要なので2019年7月に10回目の受験をする)。

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 一応、勉強はしていたが、毎日継続して勉強できなかった。時間があるときに一気に勉強して、勉強した気になっていた。そしてWritingとSpeakingは未対策のまま。結局、点数はそんなに変わらず60~80点の間をうろうろしていた。最高点は、79点だったと思う。

 阪大の院試に必要なので、学部4年の時にTOEICを2回受けた。TOEICを含め、そもそも院試勉強に全くやる気がなかったので、TOEICはほぼ勉強していない。模試を1回だけ解いて受けたら695点。模試をもう1回だけ解いて受けたら710点。

 こんな感じで英語の勉強はしていたが、本気にはなれなかった。こんな状況が変わったのは、先ほど言った通り修士1年の6月。第一志望が決まってから。

 

 

僕のIELTS概要。

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・勉強期間; 約10か月。

・勉強時間; 700時間以上。

・受験回数; 7回。

・初回 1回目(2018/7/28); Overall 6.0 (L 5.5, R 6.5, W 5.5, S 5.5)

・最終 7回目(2019/5/4); Overall 7.0 (L 7.5, R 7.5, W 6.0, S 6.0)

 700時間、7回目、Overall 7.0と7が多い感じになった。7回目の受験日は、スターウォーズの日(5月4日、May 4th)。Speakingの試験後、試験官に”Have a nice day.”って言われたら”May the force with you.”(「フォースと共にあらんことを」)って返そうと心に決めていたが、緊張して結局言えずじまい(言っていたらスコアが0.5上がっていたと思う)。

 

 勉強した時間を測定して、すべてStudyplusで記録していた。今まで自分がどれだけ勉強したか、またどれだけ勉強していないかわかる。IELTSとの戦いは終わりなき(ように思える)戦い。定量的な指標、つまり自分の頑張り具合を数字で知ることが、長期的なモチベーションの維持に重要だと思う。

 IELTSの勉強を始めたのは2018年6月。記録をつけ始めたのが2018年8月から、それと7回目のIELTS以降(2019年5月4日以降)の記録もついているので、厳密ではないが、7.0 を取るまで、こんな感じでIELTSの勉強をした。記録漏れはないと思う。

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Readingの話。

 IELTSのReadingは、1時間で3本の文章、合計2000~3000語の英文を読んで40問の問題に答える。英文の量は、TOEFL iBTよりも多い。

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 僕のReadingの点数推移はこんな感じ。Readingは、僕の稼ぎ頭。4回目の受験で8.0取った時はビックリした。7回目では、7.5。

 

 

単語。

 「実践IELTS英単語3500」を使っていた。と言っても単語を覚えるのは、あんまり面白くなかったので、2018年2月から一切勉強していない。この単語帳には、IELTSの体験談が載っているのだが、Overall 5.5から9か月で10回受験して、7.0まで上げた方の話を読んで結構、勇気づけられた。

 

 

問題を解いた文章をひたすら読みまくる。

 「IELTS完全対策&トリプル模試」とケンブリッジ大学が出している「IELTS公式問題集」を使っていた。公式問題集の方は、番号が付いていて僕が使ったのは13, 12, 11の3冊(薄っぺらいのに、クソ高い)。13は最新の公式問題集(2019年6月末に14がでるらしい。最新じゃなくなる)。新しい順から3冊買った。

 やったことは、一通り問題を解いて、見直しをして、英文の意味を理解して、後はひたすら読みまくる。そして、読んでいるときにどのくらいで読み終えれるか時間を測っていた。さっきも言った通りIELTS対策は長い戦い。自分の英語の進歩を定量的に把握することはモチベーションの維持する上でとても大切。「なんか最近、何となく英文読むのが速くなった気がする~」じゃなくて「○日前に比べて×分△秒速くなった」の方が自分の成長をより実感すると思う。

 最初は、時間を測っていなかったが、とあるブログを訪問して、時間を測るというアイデアを頂いた。しかし、どのブログからアイデアを貰ったか思い出せない...。その方は文章ごとに時間を測っていたが、めんどうだったので一冊ごとに時間を測っていた(公式問題集は12本文章が入っている。IELTS完全対策&トリプル模試は模擬問題と3回分の模試、計12本の文章を読んでいた)。

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その他。

 機械学習に興味があるので、” Pattern Recognition and Machine Learning”という本を読んでいた。また、GRE Physics Subject Testを受けるつもりなので、東京に引っ越してから大学と家の行き帰りの時間、電車の中で” Conquering the Physics GRE”という本を読んでいた(今も読んでいる)。後は論文を読んでいた。これらは、IELTSの勉強時間には含めていないが、Reading力に多少の影響は与えたと思う。

 

 

Listeningの話。

 IELTSのListeningは、30分くらいで4セクション、1セクション当たり3分から6分くらいの音声を聞いて、計40問の問題に答える。最後のセクション以外、途中で音声が止まって、続きの問題を読む時間が与えられる。TOEFL iBTと違って英単語のスペルを覚えていないと失点する。けれども問題の先読みができるので、かなりありがたい(TOEFL iBTは音声が流れ終わるまで問題は見ることができない)。

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 僕のlisteningの点数推移はこんな感じ。ずっと停滞。7回目で急浮上。7.5。4セクションの中でlisteningに圧倒的な時間を割いたのに、それに応えてくれなくて、悲しい気持ちになっていた。自分の成長を定量的に把握するのが大切ってずっと言ってきたが、listeningの成長度合いを定量的に表す評価指標は、定義できなかった。(シャドーイングした自分の音声と元の音源をフーリエ変換して周波数スペクトルを取得し、適切な誤差関数を定義して、定量値を算出しようだなんて血迷ったことを考えたが、結局、血迷わなかった)

 

 

問題を解いて音源をX倍速で聴きまくる。

 問題解いて、見直しして、音源の意味を理解出来たら、1.05倍で聴いてみる。1.05倍でついていけるようになったら1.10倍で聴いてみるというように0.05倍刻みで少しずつ、音源の速さを上げていき、最終的に2倍速くらいで聴いていた。

 

 

ちょっと音源の速度を上げて、シャドーイングしまくる。

 少しずつ音源の速度を上げてずっと聴いていたが、IELTSの点数はそんなに上がらなかった。IELTSの速度についていけるようになった気がするが、音にはついていけても意味が分からん!!、って感じだったのでシャドーイングを始めた。先ほどと同じく音源の速度を上げたが、こちらは結局、1.25倍までしか上げなかった。ほぼ毎日、1~2時間は、シャドーイングしていた気がする。

 

 

 

 

TED Talksを聴きまくる。

 シャドーイングで毎日を過ごしていた状況が一変したのは、2019年の4月のIELTS。ここで5.5というひどい点数を取ってしまった。IELTS対策の半分以上はListeningに費やしたのに…。5.5でかなり落ち込んでしまった。そして、ここでTED Talksに手を染める。

 TEDは、大規模は講演会を開催している団体のこと。講演は、もちろん英語。会場で講演会を聴くためには、かなり高いお金を払わないといけないが、TED Talksというプロジェクトが始まったおかげでネットを通じて無料で講演を聴くことができる。

 シャドーイングにマンネリ感を感じていた。新たな刺激を加えないと脳みそのListening回路が発達しないと感じていた。そして、IELTSで大事なのは、何度も聴いた音源を99%理解することじゃなくて(シャドーイング)、初めて聴いた音源を70%理解することなんじゃないかと思い始めた。そして致命的なことにシャドーイングは、とてつもなく退屈。

 僕は、1つの講演を3回聴くようにした。まずは、初見プレイ。そして、日本語と英語の二重字幕(スマホのアプリでできる)にして2回目のプレイ。そして、できるだけ字幕を見ないようにして最終プレイ。

 TEDの講演は、面白くて、人生の役に立つものが多い。そして幅広いジャンルを取り扱っている(面白いので、みんな高いお金を払って会場で講演を聴くのだろう)。なので、音読とかシャドーイングみたいにマンネリ化したり、退屈さを感じることは少ないと思う。

 

 2019年のゴールデンウイークは10連休であったが、僕は5月4日まで(例外はあるが)ずっと家に籠って朝から晩までTEDの講演を聴きまくっていた。と言っても、ゴールデンウィーク明けが学振(DC1)の学内締切だったので、学振の申請書も書いていたが…。

 ○○か月間、2時間シャドーイングして、△△か月間、2時間TED聴くんじゃなくて、最初から1時間シャドーイング+1時間TEDやっとけばよかったなって今になって思う。

 

 

 

 

その他。

 今までListening for Ielts (Collins English for Exams)に触れていなかったが、この本はTEDと同時期にやっていた。4月のIELTSのListeningで5.5を取ってしまい、悲しみのあまり衝動買いした本。1回しか解いていないので、特に言うこともないし、あんまり思い入れもない。

 IELTSの勉強に加えて、ずっと洋楽を聴いていた。母親がThe Rolling Stonesというイギリスのロックバンドのファンだったこともあり、幼稚園、小学校の頃にThe Rolling Stonesをよく聴いて(聴かされて)いた。高校の頃は、Slipknot(アメリカのバンド)やSiM(日本のバンドだけど歌詞が英語)のようなヘビメタをよく聴いていた。英語の学習の面においては全く役に立たなかったが…(日本語を学習している人がマキシマムザホルモンを聴くようなもの。マキシマムザホルモンの曲の歌詞は日本語で、僕の母語はもちろん日本語だけど、僕は、歌詞を見ずに彼らの曲を聞き取れたことはない)。

 大学に入って、もっとマイルドな洋楽も聴くようになった。洋楽を聴くのも、少しだけListening向上に寄与したのかなと思う。

 

 

Writingの話。

 IELTSのWritingは、60分で2つのタスクを解く。グラフとかを150語以上で要約する問題と与えられたお題に関して250字以上で自分の意見を述べる問題。前者に20分くらい使って、後者に40分ぐらい使うが、時間配分は自由。僕は、いつも後者から解いていた。TOEFL iBTは、文章読んで講義の音声聴いて、それをまとめろという「いやいや。それWritingちゃうやん」って感じの問題が出るが、IELTSは完全にWritingだけしかないので楽。IELTSは、TOEFL iBTよりも書かなければいけない語数が少ないので楽。けれども、鉛筆で英作文しないといけないのでそこがしんどい(TOEFL iBTはパソコンに打ち込む)。

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 僕のWritingの点数推移はこんな感じ。全然、上がらなかった。反面教師にしてくださいということで一応、やったことを書こうと思う。ちなみにちょっと不服だったので、再採点をお願いした(今は結果待ち)。

 

 

このブログの英訳。

 最近サボっているが、ブログの英訳をしていた。ちなみに英訳の時間は、IELTSの勉強時間には加えていない。唯一、Writingは日本語で論理構成を考えて、英語に翻訳する方がいいと思っていたし、今も思っている(Reading, Listening, Speakingでそんなことはしたらいけない)。日本語で論理構成を考えるときに使われる言葉の出現頻度分布には偏りがあり、この分布の偏りに従って、英単語、フレーズを勉強した方がいいと思っていたからだ。例えば、「~は言うまでもない」という言葉を口癖のように使う人は、”Needless to say,”というフレーズを練習でたくさん書く機会をつくった方が良い。

 僕の日本語で書いたブログ記事は、いわば僕が日本語で論理構成を考えるときに使う日本語の頻度分布である。ブログの英訳は、この頻度分布に合わせた英語の学習であり、費用対効果が高いという考えがあった。

 

 

サンプルエッセイの写経。

 こんな屁理屈をこねくり回すものの、点数は上がらない。そんな中、ネットでWritingについて色々調べていたら、サンプルエッセイの写経がいいという話が結構出てきた。ざっくり言うと、写経をすると、ものすごく高い点は取れないが、ある程度パターンが覚えられるのでそこそこの点数は取れるそう。

 「IELTS公式問題集」のサンプルエッセイはあんまり役に立たないので、「IELTS完全対策&トリプル模試」のエッセイを写経していた。

こんな感じ。

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 「筆記体で書いた方がちょっと賢そうに見えて点数が上がる神話」があったりするが、本当かどうかは知らない。僕は中学校の頃から、ほとんど筆記体しか使ってこなかったのでブロック体で速く文字が書けない。なので、IELTSの回答はすべて筆記体で書いていた。

 特にタスク1は、ほとんど似通った問題(棒グラフ、円グラフなどの読み取り)で写経をすることによって書き方のパターンを覚えることができた。また、写経を始める前は、本番中、時間が足らなかったが、写経をすると鉛筆でエッセイを書くことに慣れて時間が余るようになった。とまあ、こんな感じで偉そうに言っているが、Writingの点数は上がっていないので、悲しいところ。

 

 

Speakingの話。

 Speakingは、3つのタスクを行う。1つ目は、身近な話。例えば、仕事の話とか大学での勉強の話など。2つ目は、お題が出されて、それについて1~2分ぐらいスピーチ。3つ目は、2つ目の話を元にディスカッション。何分ぐらいかは知らないが、15分くらいで終わるような気がする。TOEFL iBTは、Writing同様、文章を読んで、英語の音声を聴いて、それをまとめろという「いやいや。それSpeakingちゃうやん」って感じの問題が出るが、IELTSは完全にSpeakingだけしかないので楽。後、IELTSは対面。TOEFL iBTはコンピュータに自分の声を吹き込む。

 たまにむちゃくちゃ答えにくい話題が出されることがある。仮に日本語で答えてもいいと言われても答えにくいお題も…。僕が一番困ったのは、「サングラスについて語れ」という話題。いやいや、サングラスとか知らんがな。

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カランメソッド(Callan Method)。

 カランメソッドはあまり知られていないと思うので少し説明。先生が早口で質問を2回して、2回目の質問文が終わった瞬間、こちらも早口で答を言うというのをひたすら続けるのがカランメソッド。例えば、ペンを持ちながら先生が”What is this? What is this?”と言うので、僕は質問が終わった瞬間に”This is a pen.”と答えるといった感じ。先生は、質問をした後にその答えを言い始めるので、こちらは言われる前に早く答えを言わなければならない。ちなみにテキストがあってそれに従って進む。瞬間英作文を先生に尻を叩かれながらやっていると言えば、分かる人は分かるのではないだろうか(僕も瞬間英作文は昔、やっていた)。

 僕は、カランメソッドをNative Campという会社が提供するオンライン英会話でやっていた。TOEFL iBTを受けまくっていた学部時代にも別の会社のオンライン英会話をしていた。ただそれは、ニュースを音読して、最後の時間でディスカッションするっていうあまり身にならないものであった(実際、自分でものを考えてSpeakingする時間はレッスン最後の5分間ぐらい)。学部4年の頃にカランメソッドを知り、Native Campに登録した。下の写真がその詳細。テキストは12冊あって、僕は最後の一冊、つまり12冊目の途中でやめた。確かにカランメソッドを始めた当初は、自分の英語が向上していることを実感したが、どんどん進むにつれて、成長を感じられなくなってしまった。

 

 

 

 

独り言。

 英語の独り言を始めて、英文が以前よりスラスラ出てくるようになった。言いよどみも少なくなった。スコアは上がっていないが。WritingのついでにSpeakingも再採点をお願いした。

 以下のブログにIELTSの例題が110個、載っているので全部Wordに張り付けて、タブレット(僕の場合は、2 in 1のノートパソコン)の右半分をWordファイル、左側をストップウォッチの状態にする。

atsueigo.com

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 この状態でストップウォッチをスタート。ストップウォッチは回しっぱなし。どんなにスラスラ、特定の話題について語れても、もしくは語れなくても1分経てば問答無用で次の話題に移る。僕は、これを下宿から駅、駅の乗り換え、駅からキャンパスに移動している間、やっていた。タブレットでやるのは、画面が大きいから。一瞬、チラ見するだけで経過時間と次の問題が見れる。スマホだと凝視しないといけないので歩きながらだと危険。

 修士1年の春にリーディングプログラムの合宿に行き、1分(30秒だったかも)で自分の研究を人に説明し、1分(30秒?)で人から研究を説明を受け、休みなしにぐるぐるローテーションするということをやった。ストップウォッチは回しっぱなし。時間が経ったら、「はい、次!はい、次!」という感じ。僕がやっていたSpeakingの練習はここからヒントを得た。

 

 

その他。

 研究室では、月1で研究の進捗報告会があるのだが、学部4年から自主的に英語で発表していた。学会で自分の研究を英語で説明する機会があっても、ものすごく困ることはなくなった。IELTSのSpeakingにも効果あったかも。

 IELTSは、9時からListening, Reading, Writingが始まり12時半くらいに終わる(2019年4月13日から順番が変わり、W→R→Lになった)。そこからSpeakingが始まるのだが、開始時刻はランダム。早い人もいれば、遅い人もいる。僕が7回目に受けたときは、開始時刻が18:20だった。そうなれば、5時間くらい暇を潰さなくてはいけない。

 すごい人は、その時間をSpeaking対策に使うのだが、僕の場合、午前の試験で精神がやられてしまっているのでそんなすごいことはできなかった。大体、僕は近くのカラオケボックスに行き、Speakingの試験が始まるまで、ずっと洋楽を歌って過ごしていた。IELTSですり減った精神が多少回復するし、ちょっとSpeakingの練習っぽいのでひょっとしたらいいのかもしれない。

 

 

 

 

さいごに。

 僕は、英語がものすごく嫌い。そして、ものすごく苦手。上の方でも言った通り、高校の定期考査で時々、欠点を取って英語科の職員室に呼び出されて怒られるレベルで英語は嫌いだし苦手。ちなみにOverall 7.0取った今でも英語はものすごく嫌い。こんなに嫌いで苦手なものに長期間、まじめに打ち込んだのは、初めてなんじゃないかと思う。

 2018年の夏ごろからIELTSの勉強を始めて、秋ごろまでは研究と両立できていたような気がするが、冬くらい、つまり海外大学院への出願締め切りまで1年を切ったあたりから急に焦りだして、研究や物理学を勉強するための時間をかなり犠牲にしてしまった。「研究や自分の好きな物理学を犠牲にして嫌いで苦手な英語に時間を費やしている自分は、一体何をしているのか」という虚無感と「海外大学院出願までに必要なスコアを取ることができるのか」という焦りで、精神的に追い詰められた。(1年あるから大丈夫と思っている人もいるかもしれないが、そうではない。僕は元々、学部を卒業した後に海外に行きたいと学部1年の頃にはすでに思っていて、4年も時間があったが結局は達成できなかった。こういう過去があるので1年はものすごく短いと感じる)

 追い詰められつつも、何とか必要なスコアが取れたのは、目標があったからだと思う。もちろん目標っていうのは、IELTSで何点取るっていうのではなくて、通過点であるIELTSを終えたのちに達成したい目標。僕の場合は、アメリカのとある大学院から入学のオファーを貰うことがこれに相当する。IELTSの勉強で追い詰められているときにIELTSのことばっかり考えるのはしんどい。IELTSは、最終目的じゃなくて、単なる通過点。できるだけIELTSなんでどうでもいいと考えるようにして(けれども勉強はちゃんとして)、その後に待ち構えている自分が達成したい目標に常に心を向けていたら、IELTSの勉強から現実逃避するためにこのブログに来たあなたの気持ちは少し和らぐかもしれない。

 

 海外大学院出願までに後、GRE General TestとGRE Physics Subject Testが待ち構えている。IELTS Overall 7.0は、僕の第一志望の大学院が課している英語力の最低水準に過ぎない。気を抜かずにこの2つの試験に向けて勉強していこうと思う。

 

 最後に僕がIELTS Overall 7.0を取った試験日が5月4日(May 4th, スターウォーズの日)なので…

May the force with 英語の試験受ける人!!

 

 

 

 

 

使った参考書。

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 文中に参考書の画像の付きリンクを張ろうと思ったが、僕自身、参考書のリンクだらけのページを見るのがものすごく嫌いだった(特にIELTSの勉強で病んでいるとき)。そのため、画像付きのリンクは、以下にまとめる。

 

時間をお金で買いたい人向け。

 IELTS専門のサービスをいくつか紹介する。無料相談や体験レッスンがあったりするので、興味のある人は、ぜひどうぞ。色々、受けてみて自分に合ったサービスを見つけてみては?

 

 これは、比較的お金を持っている人、もしくは、出来るだけ早くIELTSで目標スコアを達成したい人向け。僕は、お金がなかったので、独学でIELTSの勉強をしてきた。そして、目標のスコアであるOverall 7.0を取るまで10か月という時間がかかった。

 

 僕は、英語の勉強に関しては素人なので、素人なりに色々なことを試してみて、Overall 7.0を取った。今思うと最短ルートではなく、無駄なことを色々やって、回り道をしていたと思う。

 

 IELTS専門のサービスを使うと、IELTSに精通したプロ講師が目標スコア達成まで丁寧に道案内してくれる。無駄な回り道をすることなく、最短ルートで目標まで一緒に走ってくれる。

 

 僕のようにお金がないのであれば、独学がいいと思うが、金銭的な余裕があり、仕事などが忙しいのであれば、時間をお金で買って、プロ講師と最速で目標まで、走り切るのがいいと思う。

 

 

IELTS完全対策&トリプル模試

 始めて買ったIELTS全部を網羅する参考書。試験の詳細な説明、各セクションの解き方のコツ、豊富なサンプルエッセイがある。しかし、結構分厚いので持ち運びは不便。僕は、Listening, Reading, Writingの勉強に使った。

 

 

実践IELTS英単語3500

 実は、TOEFL iBTを受けまくっていた学部時代、寮の先輩から大量のIELTSの参考書を安く買ったことがあったので、一瞬だけIELTSに興味を持ったことがある。参考書は結局、ほぼ使わず、捨ててしまったのだが。そんなときに買った単語帳。多分、IELTSでこの単語帳は一番メジャーな気がする。音源は、公式サイトからダウンロードすれば手に入る。個人的には、単語帳の中で紹介されている3人のIELTS体験記が好き。

 

Cambridge IELTS ○○ Academic Student's Book with Answers with Audio: Authentic Examination Papers (IELTS Practice Tests)

○○には、数字が入る。僕が使っていたのは、11, 12, 13。Cambridge University Pressが出している、いわゆる公式問題集。大学入試で言うところの赤本みたいなもの。ちょこちょこ新しいやつが発売されているので、新しい順に買うのがいいと思う。結構、高いが。そして、Amazonで海賊版っぽいのを時々見たりするのでご注意を。薄いので持ち運びが楽。僕は、Listening, Readingの勉強に使った。

 

Listening for Ielts (Collins English for Exams)

 先に言った通り、Listeningの点が悪くて、悲しみのあまり衝動買いした本。一回しか解いていないのであんまりよく分からない。最初にウォームアップの問題があったり、問題回答のコツをたくさん載せていたりしていたので、初心者向けの本だと思う。しかし、全部英語で書かれているので初心者向けじゃないかも。

 

 

Native Camp

 ここのカランメソッドのレッスンを受けていた。確か、他の会社に比べて安かったから選んだような気がする。ほとんどがフィリピン人。アメリカ人やイギリス人も選べるのだが、料金がものすごく高い。僕は、フィリピン人のレッスンしか取ったことがないが、ハズレを引かなければ、ほとんど問題はない。

 

 

TED Talks

 無料で面白くて、ためになる講演がたくさん聴ける。

blog.sun-ek2.com

 

この文章を読んで、面白い!役に立った!...と思った分だけ、投げ銭していただけると嬉しいです。もちろん任意です。

ofuse.me

 

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