TED Talksを300回(100本を各3回)視聴した話。

目次。

 

TED Talksを聴きまくった人がしがちなことは、おすすめのTEDのプレゼンを紹介すること。

今から書こうとしているのは、僕のおすすめのTED Talksの紹介。

ちなみにTED Talksは、無料で面白い英語のプレゼンが聴けるサービス(ものすごく恣意的な解釈ですみません)。

 

きっかけ。

TED Talksを聴き始めたのは、今年の4月下旬。前にも書いた通り、IELTSのlistening対策のため。

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5月中旬のIELTSで目標のスコアであるoverall 7.0を達成したが、6月下旬にアメリカで国際学会と第一志望の大学院に訪問する予定を立てていたため、継続して聴いていた。

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およそ2か月間でTED Talksを300回聴いた。いつも1つのプレゼンを3回ずつ聴くようにしているので、聴いたプレゼンは100本。1回目に字幕なしで聴いて、2回目に日本語と英語の二重字幕を見ながら聴いて、3回目に字幕をできるだけ見ないようにしつつ、どうしても分かんないときだけ字幕を見て聴いていた。

 

と言うわけで、これから紹介するTED Talksにはすべて日本語字幕がついている。

ご安心を。

 

 

おすすめのTED Talks。

デレク・シヴァーズ;     社会運動はどうやって起こすか

原題     Derek Sivers;     How to start a movement

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僕が紹介するまでもないような気がする。ものすごく有名なプレゼン。社会運動の話になると「リーダーが大事!」っていう言葉をよく聞くが、このプレゼンはリーダーに追随するフォロワーの大切さを説いている。

3分で終わるので是非とも見てほしい動画。コミカルな動画を用いて言いたいことをコンパクトにまとめている。人を惹きつけるプレゼン。

 

 

リチャード・セント・ジョン;     成功者だけが知る、8つの秘密!

原題     Richard St. John;     8 secrets of success

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7年間で500人ものTEDメンバーに成功の秘密をインタビューしてまとめたプレゼン。これも3分ぐらいで終わるので、すぐ見られる。

 

 

 

 

Anushka Naiknaware;     A teen scientist's invention to help wounds heal

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14歳の女性が自宅のガレージで慢性創傷の治療を助ける装置を開発したという話。論文を読み漁ったり、科学コンテスト・フェアに出て研究費を取ってきたり、行動力がすごい。その気があれば、子どもであっても、お金がなくても、家であっても世界を変えるような研究ができる、科学に貢献できることを伝えているプレゼン。科学者の人、科学者になりたい人はぜひ。

今所属している研究室と完全に独立したことを家でしたいと思って、自動株式売買プログラムの開発を始めたのだが、その時に出会ったTED Talks。

 

 

ニール・ハービソン;      「僕は色を聴いている」

原題     Neil Harbisson;     I listen to color

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色が全く認識できない色盲として生まれてきたプレゼンターが色を対応する周波数の音に変換する装置をつけることによって、色を聴くことができるようになったという話。そして、可視光だけでは飽き足らず、装置を拡張して、紫外線や赤外線といった人には見ることができないような色を聴けるようになったそう。

生まれつき持っていなかった感覚をテクノロジーによって補い、さらにその感覚を拡張する、いわゆるサイボーグ化のすすめで話が終わる。

知識は感覚から育まれます。 感覚を拡張できれば 知識を拡大することができるのです。

という言葉に、なるほどと思った。感覚をテクノロジーで拡張(サイボーグ化)したら面白そう。

このプレゼンは、十数番目に聴いたもの。話も面白かったが、それに加えて、初見で話の内容が結構理解できて、ちょっと感動したのでおすすめに挙げた。

 

 

 

 

Giulia Enders;     The surprisingly charming science of your gut

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「腸」に関する話。プレゼンターの「腸」に対する「愛」がものすごく伝わってくるプレゼン。腸に関する一般的なことから、あまり知られていないこと、研究から得られた新たな知見まで、色々な腸の話。話に絡めて、人生のちょっとしたハックの話もある。

自分の専門分野をこんなに愛せるのは、素晴らしいと思う。

 

 

Scott Rickard;     The beautiful math behind the world's ugliest music

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世界で最も醜い音楽の演奏を聴くことができるプレゼン。

ソナー音の開発に関する話。船の底から音を出して、その音の跳ね返り具合で、敵の潜水艦などを見つけるのがソナー。高性能のソナーを開発には、”完全に”パターンがない音を使う必要がある。ランダムに音を組み合わせても、完全にパターンをなくすことはできない。"完全に”パターンがない音を作るのは、想像を遥かに超えて難しいのである。これを解決したのは、「ガロア理論」という素数に関する数学の理論である。

所変わって、音楽の美しさの話。多くの音楽家によると、メロディーの反復が美しい音楽を作る上で重要らしい。つまり、メロディーにパターンがある方が美しく聴こえる。

美しい音楽には、パターンが必要。「ガロア理論」で作られたソナー音は、”完全に”パターンがない。じゃあ、”完全に”パターンのない音楽(ソナー音)は一体、どんな風に聴こえるのかというのが、誰しも気になるところ。

ソナー音を”完全に”パターンがない状態を保ったまま、楽譜に変換し、それをプレゼンの最後にプロのピアニストが演奏されていた。

世界一醜い音楽を聴きたい方はぜひ。

 

 

 

 

リンダ・リウカス;     子供に楽しくコンピューターを教えるには

原題     Linda Liukas;     A Delightful Way to Teach Kids About Computers

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結構ハイテンションなプレゼン。プレゼンされている方は、子ども向けのプログラミング教育のための絵本を書かれているプログラマ。子どもへのプログラミング教育を通じて、「世界は未完成。けれども誰もがテクノロジーを使って世界を変えることができる」ということを教えている。

個人的に最後の

プログラミングは 独自の法則とパラダイムと慣習を持つ自分の小宇宙を作り出せるすごい力を 与えてくれます。何もないところから 論理の力だけで何かを生み出すんです。

というフレーズが好き。

 

 

ジェニファー・ダウドナ;     DNA編集が可能な時代、使い方は慎重に

原題     Jennifer Doudna;     How CRISPR lets us edit our DNA

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ゲノム編集技術であるCRISPR-Cas9の開発に携わった方によるプレゼン。

ゲノムとは、親から受け継ぐ遺伝子とかを全部寄せ集めたもの。生命の設計図。ヒトは、父親、母親からそれぞれゲノムを1セットずつもらう。ゲノムは、英語でgenome。遺伝子geneに「すべて」を意味する接尾語omeが合わさってゲノムgenome。

ゲノム編集技術CRISPR-Cas9によってヒトを含む、生命の設計図を好き勝手にいじくれるようになった。

もちろん、生命の設計図である遺伝情報をいじくる方法は、昔からあって、きっと「遺伝子組み換え」という言葉は聞いたことがあると思う。けれども、狙った遺伝情報をピンポイントでいじくるのが困難であったり、効率が悪かったりと色々問題があった。CRISPR-Cas9は、ワープロで文字を編集するように遺伝情報が編集できてしまうというものすごい発明。

このプレゼンでは、CRISPR-Cas9の仕組み、この技術によって人類にもたらされる恩恵、また負の面について紹介されている。一般向けのプレゼンということもあり、CRISPR-Cas9の仕組みは分かりやすく説明されている。「ゲノム編集」、「CRISPR-Cas9」という言葉をどこかで聞きかじったことがあるけど、いまいち意味がはっきりしない人はぜひ。

CRISPR-Cas9は、「細菌がウイルスとどうやって戦うのか」という基礎研究から生まれた技術。そのため「基礎研究は、ものすごく大事」と主張する人は、CRISPR-Cas9をその一例として紹介しがち。

「お前、そんな細菌のことばっか調べて、何の役に立つんや」といった感じで、「細菌 vs ウイルス」という一見、何の役にも立たない基礎研究が潰されていたとしたら、「遺伝病、がん、エイズを治せるかもしれない、農作物の生産量を飛躍的に向上させることができるかもしれない「ゲノム編集技術CRISPR-Cas9」は生まれてませんでしたよ」といった具合に。

 

 

 

 

Murray Gell-Mann;     Beauty, truth and ... physics?

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現代物理学において、理論の美しさが理論の正しさを示す一つの指標になっているという話。理論の美しさとは、数学的に書き下した時に式が非常に簡潔になることを表している。それに加えて、新たな物理現象は、知られている現象と似てる部分があり、よく似た数学で書き下せるという話も。

うーん。なんか話がぴょんぴょん飛んでまとまりが少しない感じがしたけども。場の量子論の本なんかを読んでいると、「美しい理論は正しい」という一種の信念的なものがヒシヒシと伝わってくる。僕自身、その美しさがとても好きなので、このプレゼンをおすすめとした。

方程式の簡潔さとはどういうことを言うのか、例として挙げられていたのが、電磁気学でお馴染みのマックスウェル方程式。対称性を取り入れることによって方程式がシンプルになっていく過程を紹介している。8本あったマックスウェル方程式は、空間対称性(空間を回転させても方程式の形が変わらない)が一目でわかるように変形すると4本の方程式になり、さらに特殊相対性理論(異なる慣性系間で方程式の形が変わらない)からくる対称性が一目でわかるように変形すると2本の方程式になる。最初はごちゃごちゃしていたけれども、最終的にはスッキリした方程式となった。これを物理学者は、理論の美しさというのだと思う。

マックスウェル方程式には、他にもゲージ対称性がある。マックスウェル方程式を相対論的に書き下すときは、電場、磁場ではなく、その親玉であるスカラーポテンシャル、ベクトルポテンシャルを組み合わせたゲージ場を使う(プレゼンで出てくるのは、ゲージ場を偏微分したやつを組み合わせた反対称テンソル場)。ゲージ対称性は、このゲージ場をちょこっといじくってもマックスウェル方程式の形は変わりませんよ、と言うもの。

このマックスウェル方程式に見られるゲージ対称性を拡張すると、電気や磁気によってはたらく力以外の力を記述する理論を作ることができる。これがプレゼンで言っていたヤン=ミルズ理論(この話は、本で2回読んだけども、内容についていくのにやっとで説明できるレベルにはまだまだ達していないのでヤン=ミルズ理論の話はここで終わり)。これは、先に言った2つ目の物理現象の間には似ている部分があり、よく似た数式で書き下すことができるという文言の例。

知られている理論と未知の理論には似ているところがあり、そうであるならば今ある美しい理論の数学的な枠組みで未知の理論を構築できるというのがこの方の考えだと思う。そして、それが理論の美しさが理論の正しさを示す一つの指標になっているということなのだろう。

うーん。やっぱ、ここの論理の筋道がちょっと僕の中ではっきりしてない…。

ちなみにここら辺の話題で言うと、ゲージ対称性の話とラグラジアン密度が対称性によって一意に決まってそっから色々な方程式が出てくるって話が好き。

 

 

Lýdia Machová;     The secrets of learning a new language

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100本目に選んだプレゼン。そもそもTED Talksを聴き始めたのは英語の勉強のためだったので。

多言語話者(polyglot)による語学の勉強のコツに関する話。講演者自身の体験談に加えて、色々な多言語話者に話を聞き、それをまとめ4つのコツとして紹介している。多言語話者が言うのだから説得力がある。といっても、別に特別なことをしているわけではなく、月並みな話。コツは4つあったのだが、その中でも「語学の学習のプロセスを楽しむ」というコツを強調していた。学習プロセスを楽しむとは、自分の好きな本やドラマを勉強している言語で見聞きするとかいう具合。詰まるところ、自分にあった楽しみながら言語を学ぶ方法論を発見できるか否かが多言語話者になれるか否かの分かれ道だそう。

僕は、英語と大学1, 2年の頃に第二外国語としてロシア語を勉強していた。正直に言うと、語学の勉強は死ぬほど嫌い。(第二外国語としてプログラミング言語を選びたかった…。そんなことは、もちろん無理なんだが)と言っても英語に関しては、科学の世界における共通言語なので、勉強を続けないといけない。

楽しみながら英語の勉強をするための方法論。さっさと見つけないと。

 

 

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